恋の囚人番号251107都合いい女

「2度言わせんな。脱げよ、ズボン。」
蔑むように冷たく言い放つ。

でも
視線が熱い。

ダンスフロアと繋がるカーテンは
まだ少し開いたままだ。
もちろん見えるわけないのだけれど。

盛り上がる外側と
ガラス1枚隔たれたこっち側で
静けさの中、
色欲で支配する銀丈くんの言いなりになってる私

あり得ない。
と思いながらも、抗えなくて

レザーパンツのボタンを外し
片足ずつ脱いでいく。

羞恥心と淫らな期待に挟まれた。


猫耳と紐無しのレザーチューブトップ
それから、
小さなショーツにニーハイブーツ

銀丈くんは、また一杯飲み干し
「こっち来い。」
淡々と呼ぶから
言われるがまま近くに立った。

「跨げよ。」
断る思考すら失って
テーブルに投げ出された長い脚を跨いで立った。

ソファに背を預けてた銀丈くんは、
少しだけ体を起こすと
手を伸ばし
私に巻いたネクタイを引っ張って顔を寄せると
ショーツ越しに、割れ目に中指を挟んだ。

「湿らせてんじゃん。」
ニヤリと笑い
中指の関節を曲げて力を入れる。

「んぁっ…」
甘ったるい声が鼻を抜けた。

「エロ猫」
銀丈くんは顎を上げ
私の顔を見ると楽しんだ。

急に、手を離しソファの背に身体を戻すと
「自分でやって」
と、涼しい顔で命令を続けた。

戸惑いと恥ずかしさがこぼれないよう
口を固く結んで銀丈くんに懇願の表情を向ける。

「やれよ」
怖いくらい綺麗な顔で見つめる欲情の視線に
断る術はなかった。

恐る恐るショーツの中に指を入れると
思っている以上に
ヌルリと指が滑った。
「ぁ⋯。」

銀丈くんが触れた跡を、
指で辿る。

「ん⋯はぁ…」
銀丈くんの指を思い出して
濡れた。

気持ちいぃ⋯

銀丈くんを見おろす。
視線が絡まり合う。


私を
見て⋯。

「絶景だな」
銀丈くんの声でまた濡れる。


「はぁ…んっ⋯」

パシッ。
急に手首を掴まれ
最愛の人を見つめながら
行為に耽っていた時が止まる。

手首を引き寄せ腿に乗せると

濡れた指を口に入れられ
銀丈くんの指でかき混ぜられた。

ずっと見てる…


「ぎ⋯んじょぉ⋯く…んっ」
息も絶え絶えで名を呼ぶと

「可愛い。よくできました。」

小さく囁いて
こぼれる涎を舐め取ると
ブラトップを咥え引き上げた。

不格好に晒された胸に
いくつもキスマークが残るほど執着し
荒い息遣いで私を鳴かせると
私を抱っこしたまま立ち上がった。

私は、
両腕を首に
両足を腰に絡め
キスをした。

「エロ猫は俺限定な。」
「にゃぁ」

抱っこされたまま
デスクの向こうの扉を開けると
暗がりに小さなベッドが見えた。