「そういえばさ」
いつもの場所に二人並んで向かっていると颯翔くんが何かを思い出したように呟いた。
ちなみに今年は二人共浴衣姿で、黒地に金色の縦線が入った浴衣が颯翔くんにとても良くお似合いで。
カノジョである前にただの颯翔くんオタクでもある私にとってはとんでもなく眼福で…!
なんて、そうじゃなかった。
意識を戻さないと。
「小学生くらいの時に迷子の女の子を助けたことがあって。迷子センターに連れて行ってあげたのに自分の名前も言わないでその子何してたと思う?」
…それってもしや。
私の記憶媒体にアクセスする。
深いところまで容赦なくあさる。
…あった。
絶対そうだ。
私はなんか勘づいてそうな颯翔くんの顔をじっと見つめる。
恥ずかしいけど話し出す。
「空見てた。あぁ綺麗だなぁ。空と海が溶け合って群青色がどうたらこうたらって」
「ふふ。正解。やっぱりあれ碧萌だったんだ」
「昔から不思議ちゃんだったからねぇ。空はどうして空っていうんだろとか海はどこまで続いてるんだろとかそんなことばっかり考えてた。でも今は…」
私は強引に颯翔くんの左手を奪った。
照れてるのか鼻の下をこする颯翔くん。
そんなところもまた愛おしい。
「空よりも海よりも颯翔くんのことを考えてる。まだまだ私の知らない颯翔くんがいるって思ってる。これからもずっとずーっと探求していきたい。こんなにも知りたいって思えるの長い人生の中でたった一度しかないと思うから」
夜風が吹く。
じっとりと肌にまとわりついて気持ちが悪い。
けど、そんなの吹き飛ばすくらい私の隣を歩いてくれている人は爽やかで眩しくて…
やっぱり好き。
大好きだ。
「俺も碧萌のこともっともっと知りたい。一緒にいろんなところに行っていろんなことしていろんな表情を見せ合いたい。だからこれからもずっと…ずっと一緒に居よう」
「うん!」
どちらからともなく近づいて
瞳を見合って
私から目を閉じた。
舞い降りた微熱に踊らされながら
花火の音がこだまするのも忘れて
ただキミのことだけを感じていた。
私はこれからも
空よりも
海よりも
キミのことを
知っていきたい。
fin.
いつもの場所に二人並んで向かっていると颯翔くんが何かを思い出したように呟いた。
ちなみに今年は二人共浴衣姿で、黒地に金色の縦線が入った浴衣が颯翔くんにとても良くお似合いで。
カノジョである前にただの颯翔くんオタクでもある私にとってはとんでもなく眼福で…!
なんて、そうじゃなかった。
意識を戻さないと。
「小学生くらいの時に迷子の女の子を助けたことがあって。迷子センターに連れて行ってあげたのに自分の名前も言わないでその子何してたと思う?」
…それってもしや。
私の記憶媒体にアクセスする。
深いところまで容赦なくあさる。
…あった。
絶対そうだ。
私はなんか勘づいてそうな颯翔くんの顔をじっと見つめる。
恥ずかしいけど話し出す。
「空見てた。あぁ綺麗だなぁ。空と海が溶け合って群青色がどうたらこうたらって」
「ふふ。正解。やっぱりあれ碧萌だったんだ」
「昔から不思議ちゃんだったからねぇ。空はどうして空っていうんだろとか海はどこまで続いてるんだろとかそんなことばっかり考えてた。でも今は…」
私は強引に颯翔くんの左手を奪った。
照れてるのか鼻の下をこする颯翔くん。
そんなところもまた愛おしい。
「空よりも海よりも颯翔くんのことを考えてる。まだまだ私の知らない颯翔くんがいるって思ってる。これからもずっとずーっと探求していきたい。こんなにも知りたいって思えるの長い人生の中でたった一度しかないと思うから」
夜風が吹く。
じっとりと肌にまとわりついて気持ちが悪い。
けど、そんなの吹き飛ばすくらい私の隣を歩いてくれている人は爽やかで眩しくて…
やっぱり好き。
大好きだ。
「俺も碧萌のこともっともっと知りたい。一緒にいろんなところに行っていろんなことしていろんな表情を見せ合いたい。だからこれからもずっと…ずっと一緒に居よう」
「うん!」
どちらからともなく近づいて
瞳を見合って
私から目を閉じた。
舞い降りた微熱に踊らされながら
花火の音がこだまするのも忘れて
ただキミのことだけを感じていた。
私はこれからも
空よりも
海よりも
キミのことを
知っていきたい。
fin.



