「ひとりにしないで、、、」

私は無意識にクラスメイトの腕を掴んで引き止めていた。
今教室には私と腕を掴まれている彼の2人しかいない。

「なに。」

冷たく彼の口から放たれた言葉。
無理もない。
今まで一言も言葉を交わしたことの無い相手に腕を掴まれているのだ。

「あ、ごめん。何もないから。」

私は無意識に掴んでしまった彼の腕を離す。

今日はどうしてもひとりになりたくなかった。
いつも以上に寂しくて、辛くて、苦しくて。
無力な自分が哀れで惨めで。
消えてしまいたくなった。
私、生きてるのに死んでるみたい。