「あの、あなたと弟さんは何歳ですか?」


思わず聞いてしまった。


「自分はもうすぐ23歳で弟は9歳ですけど…それが何か?」


「あ、いえ…似てる人を知っていて…彼ももうすぐ23歳になるはずだったんです…」


あの頃の彼の笑顔が脳裏に浮かぶのと、涙が頬を伝うのは同じくらいだった。


拭っても拭っても、この涙が止まることはない。


「勇さん…会いたいよ…」


そう呟く私に、勇気さんはハンカチを差し出してくれた。


「…よかったら」


「…ありがとう、ございます…」


彼の優しさが温かい。