朝。


制服を整え、手紙をキクさんに託す。


「必ず美緒ちゃんに渡すからね…いってらっしゃい」

 
昨日の夜、浜辺で美緒に抱きしめられた感触が、まだ腕に残っているような気がした。

 
深呼吸をして、自分に言い聞かせる。
 

行くしかない…
 

声に出さず、心の中で繰り返す。
 

不安も恐怖もある。


でも、美緒と過ごした時間が僕を支えてくれる。