魔法の初恋レストラン

このレストランは、いつでも誰でも来られる訳ではない。

たまたま、偶然タイミングが合った人だけが来店できる。

そういう仕組みになるようにかけてあるのが
霧の魔法、nieblaだ。

nieblaは時々不具合を起こすことがある。

だから、毎日ちゃんと作動しているか確認しなければならないらしい。

「…で、ここまでで何か質問は?」

私は心の中でない、と答えた。

働くか働かないか決断はできていないけれど。

それを察したのか、京さんはニッコリ微笑んだ。

「急には決められないよね。
これ飲んで、少し考えてみて。俺は隣の部屋に居るから」