魔法の初恋レストラン

「行く所ないなら、うちで働く?」

寒さと空腹で野垂れ死にそうだった私に、優しい瞳の青年がそう言った。

彼の名前は京(きょう)さん。

小さなレストランを経営している。

料理の腕前は確かなもので、レストランには日々お客が絶えなかった。

京さんは前髪をセンターパートという髪型にセットしていて、チョコレートのような髪色が優しい印象だ。

しかし、さっきせっかくああいうお声をかけてもらったのに、残念なことに私は猫。

飲食店で働くことは難しいと思う。