「お母様、お父様。

行ってまいります」


「気をつけるんだぞ、星愛」


「流星さんにもよろしくね」


「はい」


そう言って外に出ると既に運転手が目の前に待機していた。


「さぁ、お嬢様。

早くお乗り下さい」


「ありがとう、悠仁」


流星さんとは駅前で会う約束をしていた。


「ちょっと早かったかしら?」


時刻を見るとまだ集合の30分も前だった。


もちろん流星さんはまだ来ていない。


けれど私は朝比奈家の令嬢。


姿勢や言葉遣いを気遣わなければいけなかった。