幼なじみのユウくんは、私を抱かない。

「イチカ、最近忙しかった?」
「ちょっとね。サークルでイベントがあってさ。」

「ふぅん。」
「なに?気にしてくれてたの?」

「連絡来ないなとは思った。」
「そうなの?」

なんか嬉しい。気にしてくれてるじゃん。

「前はよく連絡来てたから。」
「そうだね。」

なんでもユウくんに聞けばいいやって思ってたし。

「なんで急に好きだと思ったの?」
「うーん……そばにいたいとか、頼りにされたいって思うようになったからかな。」

「呼ばれたかったってこと?」
「それもそうかもしれないけど、呼ばれないってことは、他の人といるってことでしょ?そう思ったら、嫌だなって思ったの。」

「そんな感じなの?『好き』って。」
「そんな感じじゃない?なんか、改めて聞かれるとよくわかんないかも。」

『好き』ってなんだろうね。ちゃんと考えたことなかったな。

「ま、俺は、イチカが男呼んでたら説教するかもな。」
「説教?なんで?ユウくんはしてるのに。」

「俺はイチカと違うから。」
「えー。なんか不公平じゃない?」

なんで私だけ怒られなきゃいけないのよ。ユウくんだって、やっちゃだめだよ。

「でも、イチカはしないだろ?」
「それはわかんないよ?何人か誘ってくれる人はいたもん。」

誘われたからって、急展開するわけではないけど。

「へー。まぁ、やるなら俺にしろとは思うかもな。」

(そうなの?)

ユウくんは私を抱かない。それなのにそんなこと言うんだ。なんか……

「なんだよ。」
「なんでもないけど?」

思われてるみたいで、顔がにやけちゃう。

「でも、私はそんなことはできないよ。」
「だろうな。」

「誘われたけどみんな断ったの。ユウくんがいるからって思って。」

(あれ?なんか私……)

「……彼女みたいじゃん。」

「だよね!自分で言ってて思った!」

勝手に彼女面してたらしい。