6.

最近はなんだか世界がまぶしく感じる。
それは恋をしたからだ、ともうひとりのわたしが言う。

あおいのことをどんどん好きになる。

勇気を出してSNSのアカウントを作って、あおいをフォローした。
あおいはマメにSNSを更新している。
あおいが新作のコンビニスイーツを食べたと投稿したら、同じものを買いに行った。
お腹が痛いなんてポストした日にはわたしも嘘をついて学校を休んだ。

世界がぜんぶ、あおいで染まっていく。


泣きたいくらいに毎日がしあわせだ!


今度は委員会の仕事を押し付けようとわたしを探す木下たちから逃げて、わたしは昇降口から全速力で校門に向かう。
そして家とは反対方向にあるコンビニの端末の前でその時間を待った。
15:00。
シミュレーション通りに端末を操作して、それでも二度の失敗をしたあと、わたしは念願のものを手に入れる。
あおいのいるアイドルグループ、DROP drops.のライブチケットだ。


三週間後、わたしはようやくあおいに会える。