妹の代わりに告白を断りに行ったら付き合うフリをすることになっちゃいました⁉

 学校を出てしばらく歩いたあと、近くにあった公園へと入っていく。

 柊くんは木陰のベンチにどさりと腰を下ろすと、わたしの荷物もベンチの上に置いた。


「……なに突っ立ってんだよ。弥生も座れって」

「う、うん」


 カバンを挟んで反対側にちょこんと座る。


「……」


 で、このあとどうするんだろ。


「ちょっと待ってな」

 そう言うと、柊くんは立ち上がってどこかへ行ってしまった。


 自分の荷物置いてっちゃったし、このままこっそり帰るわけにもいかない。

 あーあ、本当にどうなっちゃうんだろ、わたし……。


 ベンチの背もたれにもたれて上を見あげると、青々と生い茂った葉の隙間から陽の光が差し込み、キラキラと輝いている。


「キレイ……」

 思わずつぶやきが漏れる。


 なんだかのんびりとした時間が流れてる。

 怖い人のはずなのに、なんでこんなに穏やかな気持ちでいられるんだろ、わたし。

 本当に不思議な人。


「ひゃっ!」

 突然右頬に冷たいものが当たり、悲鳴を上げて頬を押さえる。

「やる。どっち?」

 柊くんがわたしに向かってペットボトルを二本差し出している。


 一本は無糖の紅茶、もう一本はレモン味の炭酸飲料。


「えっと……じゃあ、こっち」

 わたしがレモン味の炭酸飲料を手に取ると、柊くんは元の場所にどさりと腰を下ろした。


 ひょっとして、これを買いに行ってくれてたの?