「シー!落ちつけ春乃!俺だってば…!」
腕をつかんだ犯人は、もっと遠くに座っているはずの颯太だった。
「もうやめてよ!本当に心臓飛び出るかと…!」
やや涙目になりながら、小声で颯太を叱り飛ばす。
「いやー、俺もひとりでいるの怖くなっちゃってよ。」
「えー!颯太ビビりじゃん!」
あまりにも小さな声でやりとりをしたので、優には聞こえていないようだ。
その証拠に、いつもなら一緒に颯太を馬鹿にする優の声が入ってこない。
「なんてな、ひとりが怖いなんて、そんなの口実。」
さらに小さい颯太の声が耳元で聞こえた。
それと同時に、私は骨張った両腕に、包み込まれた。

