「春乃!途中まで一緒に帰ろ!」 そう言って駆け寄ってきたのは優だ。 今まではずっと一緒に帰っていたのだが、私が引っ越してからは帰り道が別れてしまった。 「もちろん!商店街のたい焼き屋さん寄っちゃう?」 「いいねー!」 そういって私たちは、商店街の途中にあるたい焼き屋まで足早に向かっていった。 たい焼き屋からはほかほかと湯気が舞い、おいしそうな匂いが漂っている。 私はカスタード、優は小倉あんを注文し、それをほおばりながらゆっくりと帰り道を歩く。