「俺ね、一人っ子だから兄弟ってすごく憧れてたんた。 兄弟がいれば、きっと父子家庭でも寂しくないんだろうなって思ってた。」 寂しい。 この言葉を怜一朗くんの口から聞いたとき、私は急に切なくなった。 やっぱり怜一朗くんも、ずっと寂しかったんだ。 「それで親父が再婚することになって、相手に年下の女の子がいるって聞いたときは、本当に嬉しかった。 それで実際会うことになったら、とても可愛い子がいるんだもん。 仲良くなりたい、頼ってほしい、力になりたい…一瞬でそう思えたよ。」