お兄ちゃん、すきだよ。




ぐいっとテーブルに身を乗り出し、真剣な眼差しで小波さんが見つめてくる。




「怜くんの、好きな人、ですか。えーと…。」



「怜に彼女がいないのは知ってるわ。大学じゃそんな話聞かないし、もしいたら隠さず話してくれるだろうし。」



「そ、そうですね。私も聞いたことない…です。」




私を問い詰める小波さんは真剣で、とても迫力があった。



華奢なイメージとは裏腹に、なんて芯の強そうな人なんだろう。


そんな小波さんに、私はたじたじだ。



間髪を入れず、小波さんはどんどん話を続ける。




「なのにね、怜ったらクリスマスには大切なデートがあるって言うの!私、クラスの皆で遊ぼうって言ったのに!」




怜くんの、デートの相手。


ヒートアップする小波さんの一言に、嫌なことを思い出してしまった。