「優、颯太。ごめん、今日は先に帰っててくれる?」
私がそう言うと、優は心配そうに私を見つめた。
あまり状況が把握できていない颯太も、ただならぬ雰囲気に不安な顔をしている。
私はふたりに、大丈夫とブイサインをし、小波さんのほうへ行った。
「じゃあね〜春乃!」
「また明日な!」
優と颯太が大きく手をふり、商店街へと去って行く。
それを見た小波さんは、いい友達だねと笑って言った。
小波さんが何も言わずに歩きだす。
私もあわてて後を追う。
「あの、小波さん?私に話って、いったい…」
「まぁ、とりあえずついてきてよ。お茶でもどう?」

