私に話?
何の用があるんだろう。
正直、私は小波さんのことが少し苦手だった。
ただの嫉妬かもしれないが、怜くんにベタベタしている小波さんを見ていると気分が良くない。
気持ちが顔に出やすい私は、自然と眉間にしわが寄ってしまった。
「春乃ってば早ぇーよ!本気出しすぎ…ってあれ?友達?」
遅れてきた颯太の声にはっとした。
私いま、無意識にすごいしかめっ面してたかも…。
「春乃!あっ…。」
優も小波さんの存在に気が付き、黙り込んだ。
すると小波さんはふたりの前に歩き出し、軽く会釈をした。
「みんなで一緒に帰るところだった?ごめんね、ちょっとふたりきりになりたいんだけど…。」
そう言うと小波さんは私の方をちらっと見た。

