校舎を出て、校門目指して走る私たち。
息を切らせながらも、笑い声が響いた。
校庭を一気に走り抜いたので、門に着くころには少しバテてしまっていた。
「はぁ〜もう駄目だぁ。」
一番に門へ来た私は、膝に手をあて、前かがみなになりながらふたりを待つ。
はぁはぁと、上がった息は寒さで白くなる。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
聞き覚えのある声に頭を上げると、そこには小波さんが立っていた。
え…?
どうして小波さんが学校に?
戸惑った私は、ポカンと口を開けて小波さんを見る。
「いきなりごめんね、怜の妹ちゃん。話があるの。」
にこっと笑う小波さんに、私は不信感が消せなかった。

