優の指差す先にある、カフェの看板を見上げる。
黄色いはちみつみたいな色の看板。
cafe こぐまのはちみつ
あれぇ?
ここってまさか…。
気が付いた時にはもう遅く、私は優に手をひかれて店内へと入っていた。
「いらっしゃいませ!」
甘い匂いと共に、店員さんの声が聞こえてくる。
聞き覚えのあるその声に、私は目を向けた。
私を見て固まる、ピンクのエプロンの男の人。
そして引きつった顔で笑った。
「あれ〜?春乃のお兄ちゃんじゃん!」
優の大きな声が店内に響く。
その声に、ぼーっとしていた私も我に返った。
「え、えー!?怜くん…!バイトって、ここだったの!?」
なんという偶然だろうか、こんなにも早く怜くんのバイト先をつきとめてしまった。

