途中、クレープを売り歩く男の子3人組に声をかけられた。
「そこのカレカノさんたち!クレープいかがですか?カップルには2つで割引しますよ!」
カップル?
そっか、私たち、はたから見たらカップルなんだ。
ふたりきりで歩いていたら、兄妹には見えないよね。
「違うんです、私たちカップルじゃ…。」
「本当に?じゃぁ2つください!」
しかし怜くんは、そんなの少しも気にしていない。
嫌じゃなかったのかな?
私は全然、嫌じゃなかったけど…。
クレープを選ぶ怜くんをじっと見つめる。
「はい、春乃!チョコバナナクレープ!」
能天気な怜くん。
怜くんはもう大学生だから、このくらい少しも気にならないんだろうな。

