「よーし!俺たちも回ろうか!」
「う、うん…!」
昨晩の夢や今朝の失態をまだ忘れられない私は、なんだか怜くんのほうを見るのが恥ずかしかった。
それに気付いていたのか、怜くんが心配そうに私を見つめる。
「春乃?」
「え?あぁ、ごめん。行こっか。」
「せっかくの兄妹デートなのに、つれないなぁ。よーし…!」
そう言って怜くんは私の手をつかみ、屋外へ続く階段を駆け降りた。
「きゃぁ〜早い!怜くん早いってば!」
「走ってればそのうち元気も出るよ!さ、おいしいもの食べに行こ!」
走っていれば、元気になる。
怜くんってば子供みたい。
私はついつい、笑いをこぼした。

