「すげぇ。豊、みて!タイプの女子めっちゃいるんやけど!」
と、僕と女子を交互に見ながら一人で興奮している。たしかに、偏差値が高いだけあって、髪染めも自由で顔面偏差値も高めだ。
「櫻川、止まってちゃ人にぶつかるよ。早く行こ。」
女子からは目を離さずに、コクコクと頷く。
その時だった___。ゴンッ。
「え、あ、、すみません。大丈夫ですか?」
いきなり前を歩いてた人が止まって、ぶつかってしまった。ジャージを着ていたから、恐らく入学式準備を終えた先輩だろう。その人は微動だにせずただ下を見ていた。さすがに心配になりもう一度声をかけ、その子の正面に回る。
「あの、大丈夫ですか…」
