これから、僕の最高な人生が始まるんだ。イケメンな彼氏を作って、文化祭を一緒に回って、テスト期間が始まったら一緒に勉強して、そのまま家で抱き合って___。って、ドラマの見すぎか。
長い坂が差しかかると、次第に生徒も増えていき、今日から始まるんだという実感が高まる。
「おー!豊じゃん」
うわぁ。相変わらず耳に響くうるさい声。後ろを振り返ると長い坂をダッシュで登ってくる同中の櫻川春人がいた。コミュ力の塊でサッカー部でもスタメンとして活躍してたことから、クラスのムードメーカーとして活躍していた。それ故に女子からも人気があった。
「櫻川もこの高校にしたんだ」
「そう!豊がここ受験したって聞いてたから、今日ずっと探してたんだよ」
乱れた髪を整えながら歩き始める。
学校に着くまでのほんの5分間だったが、改めて彼のコミュ力の高さを思い知った。
