この前の婚約の件でなぎくんと凪咲ちゃんの婚約が破棄になったので、だったら「お前の好きなやつ連れてこい」ってことになったらしい。
それを聞かされたのは昨日。
「なぎくんの好きな人」っていう立場でお食事するんだ………!
そう思うと嬉しいような、恥ずかしいような。
薄ピンクの大人っぽいドレスを着る。
これで外歩くのか、とも思ったけれど。
車はなぎくんが手配してくれるとのこと。
…………ふぅ。
なんだか特別って思ってくれてるのが分かって心がむず痒い。
「初歌〜着替え終わった〜?」
ドアの奥からなぎくんの声が聞こえた。
「うん!着替え終わったよ〜」
そう言ってドアを開ける。
「じゃあ、もうそろそろ俺行くね………………………………っ!……」
「!?なぎくん!?」
なぎくんは私を全身見ると、強く強く抱きしめた。

