平然と奈津くんは髪をなびかせる。





するとなぎくんがキレた。




通称・笑顔だけど目が笑ってないよスマイル。







「覚えとけよ。」






聞いたこともないようなドスのきいた声。



危険なスマイルと危険なボイス。






これが生と死の境目。






…………ふふっ。






こんなに夜なのに。



前まで夜はずっと泣いていたのに。






楽しい夜は久しぶりだ。









「ちょっと来てくださいます?神田くんと……………」







そんな中に響く凛とした声。




声の持ち主はあの転校生だ。




その子が私を見ているのが分かったので申し出る。






「藍初歌です。」





「藍さん……、神田くんと藍さん来てくださいますか……?」








お上品でお嬢様感を感じた。


髪の毛も綺麗。





そんな人の隣に行くのは緊張するけど、なぎくんが背中に手を当ててくれたので勇気を出して歩き出す。






「俺、完全に当て馬じゃんか」




って言った奈津くんの言葉は聞こえなかった。