ヒュッと息を呑んだ。
神田くんは苦しそうな顔をしている。
そんな顔しないで。
口に出したいのに言うことができない。
意気地なしだ。
「……でさ、湊に婚約者がいたんだけど。」
神田グループの長男ってことは跡取り。
婚約者がいてもおかしくない。
「でも、湊が事故に遭って。婚約が困難になったんだ。」
点と点で繋がった気がする。
1000ピースのパズルがハマったみたいに。
「だから、神田くん…、が代わりにってこと??」
「そう。…………だから俺……………っ別れ話切り出しちゃった。…………本当にごめん。」
ずっと泣きそうな顔して話す……、神田くんが私と重なった。
じゃあ。
じゃあ、まだ。
「まだ私のこと……本当に好き……?」
身体が震えてきた。
そんな私のことを神田くんが抱き締める。
「当たり前じゃん……!」
だめ、
もう限界。
2人して泣きじゃくる。

