知ってる人、居たーーー!!!
「守紅真の祖父に連絡してみよう…。
守紅真が家に帰って来てるかもしれない」
「お願いします!!!」
僕は釜田さんに深々と頭を下げる。
「じゃあ、私は帰るよ!
釜じい、また明日ね!!」
「また明日…。
気をつけて帰るんだぞ」
頭を上げた僕は、ゆずちゃんと目が合った。
「ゆずちゃん、ごめんね……」
本当に……ごめん………。
「釜じい。
………………………」
ゆずちゃんは釜田さんに小声で何かを言うと、僕の左側を走り抜けて行った。
嫌い…だよな……。
「ゆずちゃんから伝言だ…。
『頑張って!!!』だそうだ」
僕はすぐ振り返ると、遠ざかっていくゆずちゃんの後ろ姿に向かって、大声で叫んだ。
「ゆずちゃん、ありがとう!!!
頑張るよ!!!」



