「んー」と少し視線を逸らして悩んだ後、 放たれた言葉は電車の音に混ざって消えた。 「あ、電車来たんでとりあえず乗りましょ」 「え、ああ、うん」 流されるように電車に乗りこんでいくと、この男はちゃっかりと私の隣にポジションを取って立っている。 「俺のこと気になりますか?」 「気になるというか、素性を…」 「桐生蓮、24歳会社員。仕事めっちゃできます」 「はあ」 「モテます」 「はあ…」