最強スパダリ吸血鬼が私を運命の人だと言って離してくれない!

「もう……! ゴリラじゃないっ」






思わず声を張り上げるけど、逆効果だった。








「顔真っ赤じゃん!!」







「うわー意外とかわいい反応してる!」









一気に距離を詰めてくるクラスメイトたち。






「ちょ、ちょっと! 来ないでよ!」








必死にそう言うけど笑い声ばかり返ってくる。









「いやー、ゴリラ女に春が来るとはなぁ」











「しかも相手が黒瀬って……奇跡じゃん」







――もうやだ。




そのとき。



「……うるさい」




低い声が教室中に響いた。




一瞬で空気が止まる。






「ひかりはゴリラじゃなくて俺の彼女。からかうな」







淡々とした声。





でも教室中に響き渡って、笑っていた子たちの顔が固まった。





「え、まじ……」



「ガチでつきあってるんだ……」





ざわめきが少しずつ収まっていく。




――彼女。




その言葉を、本人の口から聞けた。





私は顔を伏せたまま、思わず口元を押さえる。




嬉しくて、恥ずかしくて。





涙がにじみそうだった。





かげくんはいつもの涼しい顔のまま、私の手をそっと握る。







その仕草が、何よりも優しくて。








からかわれていたことなんて、どうでもよくなった。