最強スパダリ吸血鬼が私を運命の人だと言って離してくれない!

どれくらいの時間が経っただろうか。

体感ではすごく長い気がしたけど。

結局かげくんは、帰りを催促をする校内放送が流れるまで血を吸い続けた。

「ふぅ……ごめん、やりすぎた。立てる?」

「う、うんっ」

壁に手をついて立ち上がるが、体に力が入らずかげくんの方へ倒れ込んでしまう。

「ごめんっ」

慌てて離れようとするが、かげくんに腕を掴まれグッと引き寄せられる。

「謝るのは俺の方だよ。いくらなんでも吸いすぎたな。ごめん、家まで送るよ」

私のことを支えながら空き教室を出るかげくん。

どうしても力が入らなかった私は彼に体を預け、家まで送ってもらうことに。


空き教室を出てすぐ。

かげくんがピタッと足を止める。

「……白鳥?」

かげくんの言葉に前を向くと、腕を組みながら壁に寄りかかっている霞くんの姿があった。

私たちに気付いた霞くんはゆっくりとこちらに近づいてきた。

「二人とも、何してたんだ?」

刺すような鋭い眼差しを向けてくる霞くんに思わず身震いする。

霞くん怒ってる……?

この前も不機嫌そうだったし……

「何もないよっ 体育祭のことで――」

「嘘つかなくていいから」

私の言葉を遮り、つつーと指先で首筋を撫でられる。

「……ここ、跡ついてる。黒瀬に噛まれたんだろ」

「それは……」

何も言い返せずに俯いてしまう私をかげくんが庇うように前に出てくれた。

「これは俺とひかりの問題だ。お前には関係ないだろ」

「関係ないだと……? ひかりは俺の幼なじみだぞ! それなのにこんな跡つけやがって……この学校にいる吸血鬼はお前だけだ! 誰が付けた跡かなんてすぐにわかる! それなのにどういうつもりだ」

「同意の上なんだからなんの問題もない」

両者一歩も引かずに睨み合っている二人の間に入る。

「かげくんっ霞くんっ落ち着いてっ!」

だけどそんな行動にはなんの意味もなくて。

私は前から霞くんに顎を掴まれ、後ろからかげくんにバックハグをされる。


ちょ、ちょっと待って!!

二人ともどうしちゃったの!?!?


二人の間で身動きが取れず体が固まってしまう。


「俺も吸血鬼だったらひかりのここ、上書き出来るのに」

えっ!?

霞くん何言ってるの!?!?

「ひかりに触らないでくれるかな。俺の運命の人だから」

「は? 運命とか知らねぇよ」

もうーーー!!

二人ともなんなの!!!