「一緒に行かなくて大丈夫か」
玄関でローファーに足を入れると兄はそう聞いてきた。
「大丈夫だよ」
私は明るく笑顔でそう返す。
双子の兄である凛とは長く離れて暮らしてきた。
ひさびさに一緒に暮らせて同じ学校に登校できる事が嬉しいのと同時に心配なのであろう。
でも私はもう高校1年生1人でもどうにかなるのである!そう心で自慢げに自分に言い聞かせながら大きな声で「いってきまーす!」と家を飛び出して行った。
高校の場所は何度も行って確かめたし、余裕を持って出たのでラブコメでありがちな食パン咥えてイケメンと衝突なんていう展開もありえないのである。その為、無事学校になんの出来事も起きることなく着くことができた。
朝のSHRがはじまる。私は先生に呼ばれるまでは廊下で待機していた。これぞ転校生という感じがしてドキドキしながらそっと前髪やリボンを直し、呼ばれるのを待っていた。
ガラッと扉が開き先生によって教室に迎えられた。
黒板には私の名前が既に書かれていてとんだネタバレをされた気分になる。気を取り直して自己紹介をする。
「小石姫奈です!よろしくお願いします!」
すぐに拍手が巻き起こり歓迎されている気がしてとても嬉しくなった。
先生に言われた席に座ると隣の席の女の子が私に話しかけてくれた。
「はじめまして!私、桜井心晴!」
「は、はじめまして、!小石姫奈です!」
あまりに急に来るものだからびっくりして変に改まった言い方をしてしまった。
心晴は元気よく続いて私に問いかけてくれた。
「姫奈って呼んでいい!?」
「いいよ!桜井さんの事はなんて呼べばいいかな?」
「心晴でいいよ!隣の席だし仲良くしてこうね!」
心晴はとても明るくて面白い子だった。
その日は心晴とお昼ご飯を食べた。
下校時間私の教室の扉には凛が立っていた。
「姫奈!一緒に帰ろう!」
凛はそう言ったが私には今日成し遂げたかったイベントがまだ残っている。
それは、部活見学!
「凛、私部活見学しに行きたい!案内してくれる?」
その問いかけに凛は二つ返事で了承してくれた。
はじめに見に行ったのは心晴の所属する女子テニス部、それから色々な部活を見て回った。
わたし的にしっくりくる部活は見つからなかった。まあ帰宅部もひとつの手だとは思った。
凛と帰ろうとした時忘れ物をしたことに気づき凛を校庭に置き去りにしてひとりで校舎に飲み込まれていった。
静かな廊下には変な緊張感が走る
いつの間にか自分の教室がどこか分からなくなってしまった
在校生である凛を頼らなかったことを少し後悔した
旧校舎に入った瞬間に薄暗い空間の中に響いたピアノの音が耳に入った
心地いいほど気持ちいいメロディ
自然とそのピアノの音に吸い寄せられるように気づけば廃教室の前にいた。
少し古びたピアノを弾く彼の綺麗な横顔をみて思わずその場に座り込んでしまった。
座り込んだ音でようやく彼は私に気づき驚きながらも私に近づき優しく白いその手を差し伸べた。
「大丈夫?驚かせちゃったかな」
ふわりと優しく心地のいい声が耳から心にじわりと広がる。お互いじっと目を見つめ合う。
ハッと我に返った彼は耳を赤くしながら口元を抑えながら目を逸らした。
「俺は1年の伊坂 光季です」
「私も1年です小石姫奈です!」
名前を言うと光季くんは私の顔をじっと見た。
「もしかして、凛の、?」
「そう!凛は私の双子の、、、」
その瞬間いきなり扉が大きな音を立てて開いた。
「姫奈!ミツ!?なんでふたりがここに!?」
凛はとても驚いた顔で光季くんと私を見た。
玄関でローファーに足を入れると兄はそう聞いてきた。
「大丈夫だよ」
私は明るく笑顔でそう返す。
双子の兄である凛とは長く離れて暮らしてきた。
ひさびさに一緒に暮らせて同じ学校に登校できる事が嬉しいのと同時に心配なのであろう。
でも私はもう高校1年生1人でもどうにかなるのである!そう心で自慢げに自分に言い聞かせながら大きな声で「いってきまーす!」と家を飛び出して行った。
高校の場所は何度も行って確かめたし、余裕を持って出たのでラブコメでありがちな食パン咥えてイケメンと衝突なんていう展開もありえないのである。その為、無事学校になんの出来事も起きることなく着くことができた。
朝のSHRがはじまる。私は先生に呼ばれるまでは廊下で待機していた。これぞ転校生という感じがしてドキドキしながらそっと前髪やリボンを直し、呼ばれるのを待っていた。
ガラッと扉が開き先生によって教室に迎えられた。
黒板には私の名前が既に書かれていてとんだネタバレをされた気分になる。気を取り直して自己紹介をする。
「小石姫奈です!よろしくお願いします!」
すぐに拍手が巻き起こり歓迎されている気がしてとても嬉しくなった。
先生に言われた席に座ると隣の席の女の子が私に話しかけてくれた。
「はじめまして!私、桜井心晴!」
「は、はじめまして、!小石姫奈です!」
あまりに急に来るものだからびっくりして変に改まった言い方をしてしまった。
心晴は元気よく続いて私に問いかけてくれた。
「姫奈って呼んでいい!?」
「いいよ!桜井さんの事はなんて呼べばいいかな?」
「心晴でいいよ!隣の席だし仲良くしてこうね!」
心晴はとても明るくて面白い子だった。
その日は心晴とお昼ご飯を食べた。
下校時間私の教室の扉には凛が立っていた。
「姫奈!一緒に帰ろう!」
凛はそう言ったが私には今日成し遂げたかったイベントがまだ残っている。
それは、部活見学!
「凛、私部活見学しに行きたい!案内してくれる?」
その問いかけに凛は二つ返事で了承してくれた。
はじめに見に行ったのは心晴の所属する女子テニス部、それから色々な部活を見て回った。
わたし的にしっくりくる部活は見つからなかった。まあ帰宅部もひとつの手だとは思った。
凛と帰ろうとした時忘れ物をしたことに気づき凛を校庭に置き去りにしてひとりで校舎に飲み込まれていった。
静かな廊下には変な緊張感が走る
いつの間にか自分の教室がどこか分からなくなってしまった
在校生である凛を頼らなかったことを少し後悔した
旧校舎に入った瞬間に薄暗い空間の中に響いたピアノの音が耳に入った
心地いいほど気持ちいいメロディ
自然とそのピアノの音に吸い寄せられるように気づけば廃教室の前にいた。
少し古びたピアノを弾く彼の綺麗な横顔をみて思わずその場に座り込んでしまった。
座り込んだ音でようやく彼は私に気づき驚きながらも私に近づき優しく白いその手を差し伸べた。
「大丈夫?驚かせちゃったかな」
ふわりと優しく心地のいい声が耳から心にじわりと広がる。お互いじっと目を見つめ合う。
ハッと我に返った彼は耳を赤くしながら口元を抑えながら目を逸らした。
「俺は1年の伊坂 光季です」
「私も1年です小石姫奈です!」
名前を言うと光季くんは私の顔をじっと見た。
「もしかして、凛の、?」
「そう!凛は私の双子の、、、」
その瞬間いきなり扉が大きな音を立てて開いた。
「姫奈!ミツ!?なんでふたりがここに!?」
凛はとても驚いた顔で光季くんと私を見た。
