ワンナイトから始まる青春のつづき

「夏実のスマホとバッグを預かってるって蒼介くんに連絡入れて欲しい」


お店を出たところにいた黒川くん。


「ん。連絡した」

「ありがと」

「なあ、俺らも抜けね?」



集団の最後尾よりも遅れてトロトロ歩いているあたしたち。


今抜けてもたぶん気づかれないけど、このお誘いは乗るべきか否か。


黒川くんの無駄に色っぽい視線がノーと言えない雰囲気を作り出す。


イエスともノーとも答えないうちから繋がれた手を引かれ、別の方向に歩き出した。


方向的にラブホ街に向かってるのがわかる。


黒川くん、手慣れてます。


なんてことなくラブホに入り、部屋を選び、気づいたら部屋の中に着いてた。


正直、ここまでになるとは思ってもおらず戸惑っている。


シちゃうよね…?


顔がものすごい好きだし、全然嫌ではないけど、簡単に許しちゃう女って思われたくない、かも。


美化された思い出の憧れの男の子だから大事にされたかったと期待しちゃってる。


一方で、今夜だけでもいいからって気持ちもある。
「一緒にシャワー浴びる?」

「無理‼︎恥ずかしい‼︎てか、シラフじゃ無理だからお酒飲む」


みんなの前で飲まなかったお酒の力に頼らせていただく。


先にシャワーを浴びて、黒川くんがシャワーしている間にハイペースで身体にアルコールを入れた。


ガチャとシャワールームの扉が開き、そこからパンイチの黒川くんがタオルで髪の毛を拭きながら出てくる。


なんかのCMかと錯覚してしまうほど美しい画角。


「顔赤い。酒弱いの?」

「うん弱い。お酒の失敗は山ほどしてる」