★
――――どっす――んっ!!
「いてて……」
ナナがしりもちをついたのは、なぜか草の上でした。びっくりしてあたりを見回します。
そこは、しずかな庭でした。森の中のような木々にかこまれています。
咲きみだれる花のむこうに建っているのはレンガづくりの家。こじんまりしていて、絵本のようにかわいく見えました。
「ここ、どこ?」
知らない場所におどろいて、ナナは動けなくなりました。
今まで家にいて、リビングでタブレットを見ていたはずです。
「チクタクック!」の未公開サムネイルをタップしたら、いきなりこんな所に飛ばされてしまったのでした。
「どうして……?」
ペタンと座りこんだままナナは首をかしげます。夢なのかな?
「はむは、むむむー!」
「きゃ!」
花だんから飛び出してきたのは一匹のハムスターでした。だけどふつうのハムスターじゃありません。
「ええっ! ハムまる!?」
「はむんっ!」
ナナの目の前でビシッと決めたポーズは、さっき見た動画と同じでした。
アニメとして動いていたハムまるが、そのまんまそこにいます。
「うわわぁーっ、かわいい!」
ナナはおもわず笑顔になって、ハムまるの前にかがみこみました。
「ほんとうにハムまるだ! 大ファンです、あくしゅしてください!」
そっと指を出してみると、ハムまるは小さな手でチョンとさわってくれました。
胸をはってナナにウインクした姿は、りっぱなアイドルみたいですよ?
感げきするナナですが、その耳に大好きな声が飛びこんできました。
「こらあ、ハムまるったら! お仕事ほったらかしちゃダメでしょ――って、あれ」
「きゃああ! ココちゃん!」
ハムまるの後を追って草花のむこうからやってきたのは、ココちゃんです。
「チクタクック!」の動画主のココちゃんは、ハムまると同じくアバターのココちゃんそのままでした。
「あらら、お客さまだったのね! こんにちは、〈チクタクックのひみつのお庭〉へようこそ!」
「こん、こんにちは……ココちゃんに会えるなんてうれしいです! あ、わたしナナっていいます」
「ナナちゃんね? よろしく!」
ココちゃんがニッコリして名まえを呼んでくれます。ナナは推しに会えて、フワフワしました。
アバターなのに、目の前にいるのがとってもふしぎ。
ナナよりお姉さんに見えるココちゃんですが、こうして会ってもすごくかわいいいです。
でもココちゃんが言った〈チクタクックのひみつのお庭〉ってなんでしょう?
ナナがそんなところに迷いこんでしまったのはどうしてなのか、不安になりました。おそるおそる質問してみます。
「あのう、ココちゃん。このお庭って……」
「あ、そうだ! いいこと思いついた! ねえナナちゃん、ちょっとお手伝いをおねがいしてもいいかな?」
ナナが言うのをさえぎって、ココちゃんはパチンと手を叩きました。
キラキラする笑顔は元気いっぱい。いつもあこがれているココちゃんそのままです。
(お手伝い? わたしがココちゃんの!)
なにをするのかわからないけど、ココちゃんのお手伝いなら「チクタクック!」のことかもしれません。
(そんなの、やってみたいに決まってるよね!)
ナナは心配なのが吹きとんで、モジモジしながら申し出ました。
「わたしにできるなら……」
「できるできる! きっとできるよ、おねがいしまーす!」
ココちゃんは、ナナの手をきゅっとにぎってくれました。
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
【しつもん】
ココちゃんの言った「お手伝い」とはなんでしょう?
あなたがやりたいのはどれかな?
①ハムまるのブラッシング ②お庭の草むしり ③動画の食材さがし
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
――――どっす――んっ!!
「いてて……」
ナナがしりもちをついたのは、なぜか草の上でした。びっくりしてあたりを見回します。
そこは、しずかな庭でした。森の中のような木々にかこまれています。
咲きみだれる花のむこうに建っているのはレンガづくりの家。こじんまりしていて、絵本のようにかわいく見えました。
「ここ、どこ?」
知らない場所におどろいて、ナナは動けなくなりました。
今まで家にいて、リビングでタブレットを見ていたはずです。
「チクタクック!」の未公開サムネイルをタップしたら、いきなりこんな所に飛ばされてしまったのでした。
「どうして……?」
ペタンと座りこんだままナナは首をかしげます。夢なのかな?
「はむは、むむむー!」
「きゃ!」
花だんから飛び出してきたのは一匹のハムスターでした。だけどふつうのハムスターじゃありません。
「ええっ! ハムまる!?」
「はむんっ!」
ナナの目の前でビシッと決めたポーズは、さっき見た動画と同じでした。
アニメとして動いていたハムまるが、そのまんまそこにいます。
「うわわぁーっ、かわいい!」
ナナはおもわず笑顔になって、ハムまるの前にかがみこみました。
「ほんとうにハムまるだ! 大ファンです、あくしゅしてください!」
そっと指を出してみると、ハムまるは小さな手でチョンとさわってくれました。
胸をはってナナにウインクした姿は、りっぱなアイドルみたいですよ?
感げきするナナですが、その耳に大好きな声が飛びこんできました。
「こらあ、ハムまるったら! お仕事ほったらかしちゃダメでしょ――って、あれ」
「きゃああ! ココちゃん!」
ハムまるの後を追って草花のむこうからやってきたのは、ココちゃんです。
「チクタクック!」の動画主のココちゃんは、ハムまると同じくアバターのココちゃんそのままでした。
「あらら、お客さまだったのね! こんにちは、〈チクタクックのひみつのお庭〉へようこそ!」
「こん、こんにちは……ココちゃんに会えるなんてうれしいです! あ、わたしナナっていいます」
「ナナちゃんね? よろしく!」
ココちゃんがニッコリして名まえを呼んでくれます。ナナは推しに会えて、フワフワしました。
アバターなのに、目の前にいるのがとってもふしぎ。
ナナよりお姉さんに見えるココちゃんですが、こうして会ってもすごくかわいいいです。
でもココちゃんが言った〈チクタクックのひみつのお庭〉ってなんでしょう?
ナナがそんなところに迷いこんでしまったのはどうしてなのか、不安になりました。おそるおそる質問してみます。
「あのう、ココちゃん。このお庭って……」
「あ、そうだ! いいこと思いついた! ねえナナちゃん、ちょっとお手伝いをおねがいしてもいいかな?」
ナナが言うのをさえぎって、ココちゃんはパチンと手を叩きました。
キラキラする笑顔は元気いっぱい。いつもあこがれているココちゃんそのままです。
(お手伝い? わたしがココちゃんの!)
なにをするのかわからないけど、ココちゃんのお手伝いなら「チクタクック!」のことかもしれません。
(そんなの、やってみたいに決まってるよね!)
ナナは心配なのが吹きとんで、モジモジしながら申し出ました。
「わたしにできるなら……」
「できるできる! きっとできるよ、おねがいしまーす!」
ココちゃんは、ナナの手をきゅっとにぎってくれました。
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
【しつもん】
ココちゃんの言った「お手伝い」とはなんでしょう?
あなたがやりたいのはどれかな?
①ハムまるのブラッシング ②お庭の草むしり ③動画の食材さがし
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