灯りはそのままに

だからお願い。

わがままなのは百も承知。

何も恐れることなくあなたの胸に飛び込める時まで、どうか、その恋の灯りだけは消さないで——。


夏草の香り。

月あかりにのびる、ふたつの影。

触れそうになっては、慌てて離す手。

思春期と大人の狭間の、夏のように短い季節。

ぎこちなくて、甘酸っぱくて、せつない想い。

大人になっても、今夜のことだけは忘れないから⋯⋯。