「桐谷さん、出動です!」

無線が鳴り、指令が飛び交う。

災害派遣医療チームDMATの一員として働く私は、医師・救急救命士とともに、出動車に飛び乗った。

場所は、老朽化したマンションでの爆発事故。

複数名が負傷、建物の一部が崩れているという。

車内はいつも通りの緊張感。

でも私はどこか、ざわついていた。