階段が、音を立てて落ちていく。

火と煙の中で、2人は孤立した。

「大丈夫、俺が助けるから」

俺は背中に彼女を背負い、周囲を見渡した。

前の階段は崩落。

右の廊下は炎に包まれている。

「別ルート……非常通路、あるか?」

煙で視界が最悪だ。

だが、迷っている時間はない。