音のない世界で私の耳になってくれた君は






…摩擦で血がっ…出たのか?




「きゃっ!血じゃない!」


「うわっ!」





『立てるか?保健センター行くぞ』


手話で教えて肩を貸し、立たせたその時、蛍はフラッと倒れた。




「蛍!!!」


やっぱ倒れたか…



「おい!突っ立ってないで救急車呼べ!」


「わかった!」





俺は蛍を抱き抱え大学の校門で救急車を待った。

頼むから早く来てくれっ!



ピーポーという音と共に医者のようなひとが救急車から降りて近づいてきた。




「倒れたというのはこの患者さんですか?」




「はい!そうです!先天性難聴と音過敏症で…倒れた理由は後ほど説明します!」