目を開けると、そこは見知らぬ廃墟都市だった。崩れたビル、錆びた車、絡まる蔦。まるで時間が止まった世界。紅稀、虹心、紫耀、瑚生の四人は呆然と立ち尽くす。空から不気味な放送が流れた。「ルールは簡単だ。制限時間12時間。この廃墟で隠れきるか、敵を倒して生き残れ。最後の一人になれば、100万の賞金。さあ、ゲーム開始！」
声の主はミスターマックス。仮面をかぶった男が、巨大なスクリーンに映し出される。その冷酷な笑みに、虹心が震えた。「紅稀、怖いよ…」彼女の手を握る紅稀だが、内心の不安は隠せない。
「落ち着け、みんなで協力すれば絶対生き残れる！」紅稀はサッカーで鍛えたリーダーシップを発揮し、仲間を鼓舞する。だが、紫耀が囁いた。「協力？ 本当にみんな信用できる？」彼女の目は、虹心と瑚生を鋭く捉える。
最初の試練はすぐ訪れた。廃墟の影から、機械仕掛けの「鬼」が現れる。赤い目が光り、刃物を振り回す無慈悲なハンターだ。「走れ！」紅稀は叫び、四人は廃ビルに飛び込む。サッカーで培った瞬発力で障害物を飛び越え、仲間を引っ張る紅稀。虹心は花道部の知識を活かし、蔦や草で隠れる術を提案。紫耀は裁縫道具で即席の罠を作り、鬼の動きを一時的に封じる。
だが、瑚生の行動が不穏だった。虹心を守るためと言いつつ、彼は単独で動こうとする。「虹心、俺が守るからついてこい」その言葉に、虹心は戸惑い、紅稀への想いを再確認する。