夕暮れの校庭。サッカーボールを軽快に蹴る音が響いていた。紅稀(こうき)は汗を拭い、仲間たちと笑い合う。高校二年生、明るくてスポーツマンシップに溢れる彼は、サッカー部のムードメーカーだ。「よし、今日の練習終わり! ナイスシュート、紅稀!」とキャプテンが叫ぶ。紅稀はニヤリと笑い、ボールを抱えて校舎へ向かった。
その帰り道、幼馴染の虹心(にこ)と紫耀(しよう)が待っていた。虹心は花道部のエプロンを着たまま、柔らかな笑顔で手を振る。「紅稀、今日も遅かったね。花、持ってく?」彼女の手には色鮮やかな花束。紅稀への想いを隠すように、彼女はいつも花を口実に近づく。一方、紫耀は裁縫道具を手に静かに微笑む。「紅稀のユニフォーム、破れてたよ。直してあげる?」彼女の声は優しいが、どこか紅稀を独占したい熱が滲む。
そこへ、バスケ部のエース、瑚生(こう)が現れる。「お前ら、いつも一緒だな」と笑いつつ、虹心をチラリと見る。彼の視線には、彼女への淡い恋心が隠されていた。
そんな穏やかな日常が、突然の異変で引き裂かれた。紅稀のスマホがけたたましく鳴り、画面に奇妙なメッセージが映る。「ようこそ、究極のかくれんぼへ。参加者は君たち四人。生き残れば100万。死ねば終わり。――ミスターマックス」
「何これ、悪質なスパム?」紅稀が笑い飛ばそうとした瞬間、地面が揺れ、視界が暗転した。