「許可なく触れられないよな」
そのままの優しい顏なのに切ない声で呟いた。
「父親じゃな、」
「俺が絶対に父親だ。認めろ、初果」
何言ってんのこの人。
急に甘くなって。
切ない声で顏で上目使いされたら揺らいでしまう。
「恋もしたくて家族も欲しくてそんなの欲張りで。お金だって手切れ金貰ったし、それなのに」
本音って溜まってた分勢いが強くなって滝のようにどんどん流れ出す。
「俺に恋すれば良い。この子と3人で家族を作ろう。お金は…苦労させることはない」
フッと笑って立ち上がった。
「初果、今度こそ幸せにする。愛してるんだ。戻って来てくれないか?」
素直な言葉で嘘偽りないのも分かるのに信じられない自分がいる。
「私、騙されてないですよね?」
この人がそんな人じゃないのも分かってるのに私は最低だ。
「初対面で美味そうにゼリーを3個も食う女は初果しかいないだろ。俺の前で飾らないところが好きなんだ」
お見合いと称した社長室でのゼリー完食に彼は一目ぼれしたってこと?
「好きじゃないって態度をするくせに一緒に寝る時は俺に顏を寄せて来たり冷たくするとムキになったり可愛いよな」
「安心して認めろ」と優しく抱きしめて背中をさすってくれる。
こんなに愛情表現されたら…
「あと、3ヶ月でパパですよ」
認めざるを得ない。
顔を上げるといつも無表情の顔がほんのり
赤く目元が潤んでるように見える。
「見るなよ」そう言う彼が照れを隠そうとしてて可愛い。
「また動いた。社長この辺り!」
気持ちが連動するのか赤ちゃんが動いた感覚にお腹を指さすけど彼が耳をお腹に近づけると動かない。
「動くのを待つことは出来るけどそろそろ俺も名前で呼んでくれない?」
今まで社長としか呼んでない。
「そう、ですね」
七織?これはあの二人と同じでイヤ。
七織くん?これだと同級生みたい?
じゃあ…
「七織さん。これ一択です」
満足そうな顏を見せる姿は天水グループの社長と言うよりパパの顏に見えてくる。
「パパ顏ですね」
「もうパパだもんな」
感慨深い声だけ聞こえるけど多分また目元が潤んでると思う。
(…幸せ)
田舎道で周りは田んぼばかりだけど旦那と子供と抱き合ってるこの道はバージンロードだと思えた。
◇
幸せは簡単には手に入らない。
手切れ金の相手と義母との戦いも残ってる。
「可愛いよな。本当にこの子は写真映えする。これSNSに、」
「七織さん止めて。怖いから!」
エコー写真を見ただけでデレデレって先が思いやられる。
写真映えって言われてもこの子だってこの姿を褒められても困るよね。
「うちの子の裸を世界中の他人に見せたいんですか?」
こうでも言わないとこの人はおさまらない!
Tシャツとかガチで作って配っちゃいそう…。
「はっはだか?!冗談じゃない‼誠さんまさか見ました?!」
「見てないから」
誠さんも色々といい迷惑。
うちに頻繁に来すぎて「仕事は大丈夫?」って聞きたくなるレベル。
「社長、後は俺が。環希さん俺泊まるんで夕飯頂きます!」
そしてこの勇仁くんも旦那と一緒によく来てはご飯を食べて帰ってる。
私に繋がりがあると踏んで勇仁くんに探りを入れるうちに私を探す役目を旦那から頼まれたらしい。
変な友人関係?
兄弟が居ない七織さんからすれば弟みたいなんだろうな。
「社長は…残念、お迎えが待ってるみたい」
黒塗りの高級車がお店に横づけされて運転手さんが外で待ってる。
「初果、どうしても戻って来ないのか?」
あっちに帰って戦うって今の私には危険過ぎる。
あの化け物級の2人と特級化け物義母と対面してこの子に何かあっても困る。
「ここで産みたいの。空気も綺麗だし恵美のご両親、環希さん誠さんも居るから安心出来る」
「そうそう!早く社長は帰って仕事して下さい」
勇仁くんは待ちきれないのか環希さんの揚げたてのかき揚げをつまみ食い。
「お前は…ったく、頼んだからな。初果また連絡する」
頭にポンッと手をやるとお腹も軽く撫でて笑みを零し出掛けて行った。
甘々デレデレとか本当に慣れない!
旦那の名前を呼ぶだけで照れる。
「2人って恋してるって感じで初々しいよね」
「環希さん!からかわないで下さい」
「今からでも俺にしませんか?俺も恋したい」
「もう!」と皆んなに怒った振りをするけど幸せな気持ちで胸の中がほっこりする。
そのままの優しい顏なのに切ない声で呟いた。
「父親じゃな、」
「俺が絶対に父親だ。認めろ、初果」
何言ってんのこの人。
急に甘くなって。
切ない声で顏で上目使いされたら揺らいでしまう。
「恋もしたくて家族も欲しくてそんなの欲張りで。お金だって手切れ金貰ったし、それなのに」
本音って溜まってた分勢いが強くなって滝のようにどんどん流れ出す。
「俺に恋すれば良い。この子と3人で家族を作ろう。お金は…苦労させることはない」
フッと笑って立ち上がった。
「初果、今度こそ幸せにする。愛してるんだ。戻って来てくれないか?」
素直な言葉で嘘偽りないのも分かるのに信じられない自分がいる。
「私、騙されてないですよね?」
この人がそんな人じゃないのも分かってるのに私は最低だ。
「初対面で美味そうにゼリーを3個も食う女は初果しかいないだろ。俺の前で飾らないところが好きなんだ」
お見合いと称した社長室でのゼリー完食に彼は一目ぼれしたってこと?
「好きじゃないって態度をするくせに一緒に寝る時は俺に顏を寄せて来たり冷たくするとムキになったり可愛いよな」
「安心して認めろ」と優しく抱きしめて背中をさすってくれる。
こんなに愛情表現されたら…
「あと、3ヶ月でパパですよ」
認めざるを得ない。
顔を上げるといつも無表情の顔がほんのり
赤く目元が潤んでるように見える。
「見るなよ」そう言う彼が照れを隠そうとしてて可愛い。
「また動いた。社長この辺り!」
気持ちが連動するのか赤ちゃんが動いた感覚にお腹を指さすけど彼が耳をお腹に近づけると動かない。
「動くのを待つことは出来るけどそろそろ俺も名前で呼んでくれない?」
今まで社長としか呼んでない。
「そう、ですね」
七織?これはあの二人と同じでイヤ。
七織くん?これだと同級生みたい?
じゃあ…
「七織さん。これ一択です」
満足そうな顏を見せる姿は天水グループの社長と言うよりパパの顏に見えてくる。
「パパ顏ですね」
「もうパパだもんな」
感慨深い声だけ聞こえるけど多分また目元が潤んでると思う。
(…幸せ)
田舎道で周りは田んぼばかりだけど旦那と子供と抱き合ってるこの道はバージンロードだと思えた。
◇
幸せは簡単には手に入らない。
手切れ金の相手と義母との戦いも残ってる。
「可愛いよな。本当にこの子は写真映えする。これSNSに、」
「七織さん止めて。怖いから!」
エコー写真を見ただけでデレデレって先が思いやられる。
写真映えって言われてもこの子だってこの姿を褒められても困るよね。
「うちの子の裸を世界中の他人に見せたいんですか?」
こうでも言わないとこの人はおさまらない!
Tシャツとかガチで作って配っちゃいそう…。
「はっはだか?!冗談じゃない‼誠さんまさか見ました?!」
「見てないから」
誠さんも色々といい迷惑。
うちに頻繁に来すぎて「仕事は大丈夫?」って聞きたくなるレベル。
「社長、後は俺が。環希さん俺泊まるんで夕飯頂きます!」
そしてこの勇仁くんも旦那と一緒によく来てはご飯を食べて帰ってる。
私に繋がりがあると踏んで勇仁くんに探りを入れるうちに私を探す役目を旦那から頼まれたらしい。
変な友人関係?
兄弟が居ない七織さんからすれば弟みたいなんだろうな。
「社長は…残念、お迎えが待ってるみたい」
黒塗りの高級車がお店に横づけされて運転手さんが外で待ってる。
「初果、どうしても戻って来ないのか?」
あっちに帰って戦うって今の私には危険過ぎる。
あの化け物級の2人と特級化け物義母と対面してこの子に何かあっても困る。
「ここで産みたいの。空気も綺麗だし恵美のご両親、環希さん誠さんも居るから安心出来る」
「そうそう!早く社長は帰って仕事して下さい」
勇仁くんは待ちきれないのか環希さんの揚げたてのかき揚げをつまみ食い。
「お前は…ったく、頼んだからな。初果また連絡する」
頭にポンッと手をやるとお腹も軽く撫でて笑みを零し出掛けて行った。
甘々デレデレとか本当に慣れない!
旦那の名前を呼ぶだけで照れる。
「2人って恋してるって感じで初々しいよね」
「環希さん!からかわないで下さい」
「今からでも俺にしませんか?俺も恋したい」
「もう!」と皆んなに怒った振りをするけど幸せな気持ちで胸の中がほっこりする。



