「じゃあ‼とりあえず生から行きますか」
その声が掛け声となり二人でメニュー表とにらめっこを始めてどんどん注文する。
気付いたらテーブル一面幸せな空間に私は自然と笑顔になった。
「全部美味しい」
一口付けたビールが今日もどうも胃が受付けず勇仁くんが全部飲んでくれた。
その代わり今日の胃には食べ物がスーッと入ってく。
「もつ煮どうでした?めっちゃ美味いでしょ」
トロトロのモツは最高で2人前をペロリと平らげた。
「凄く美味しかった!お刺身を新鮮でハマチも脂がのってて最高」
「お茶漬け下さ〜い」と女将さんに追加して箸休めに山芋の短冊切りを頬張る。
「気に入って貰えて良かったです。お酒は今度飲みましょうね!」
勇仁くんは結構いける口でグイッとお猪口を傾けて日本酒一気に煽る。
「では景気付けにどうぞ」
箸を一旦置いて空いたお猪口に日本酒をそそいだ。
「どうしたの?」
お酒を注いでもジッと見つめられて免疫のない私はドキドキしてくる。
「今日予定あったんじゃないですか?」
中々鋭いけどそんな見つめられてまで言う話じゃない。
熱い視線に私も耐えきれず無駄におしぼりをクルクルと巻き直す。
「初果さんて困ってる時無理して笑いますよね」
「そ、そうなの⁈」
自分でも自覚無しだったけど思い出せばそうかも?
でもな…予定って住む場所で、あれ勇仁くんて…
「もしかして不動産会社には詳しい?て言うか知り合いいる?」
そう彼は忘れてたけど不動産部門の子!
知り合いの一人や二人…
「居ますよ?引っ越すんですか」
やっぱり‼
全く知らない不動産屋に行くくらいなら知ってる人が居た方が良い!
「一緒に暮らしてた友達が結婚するから急ぎなんだよね~」
人って切羽詰まると凄い。
嘘みたいにスラスラと言葉が出て来る。
「いつも迷惑かけてますから探しますよ!」
「内密で良い?課長がまた心配するといけないし」
「そうですよね。めちゃくちゃ初果さんを娘みたいに心配してますもん」
課長を落ち込ませたくはない。
だからこっそり引っ越しをして状況をみて話そう!
それまではバレるわけには行かない。
「任せて下さい!早めに紹介しますから。まずは俺たちが連絡先交換を」
「そっか!お互い知らなかったよね。待っ…」
携帯を取り出すと旦那からの着信と川崎さんからの写メ付きメール。
寄りかかるソファに見覚えがある。
だってそれは私のお気に入りの場所。
笑みを浮かべる彼女と男の指先。
(…指輪、そうですか)
顏は写ってないけど指にはこの間嵌めた結婚指輪。
愛は無いんだから外せば良いのに律儀に嵌めたままだから私が気付くことになる。
“彼と一緒にいるの”と言う川崎さんから嫌がら、せ…
いやいや嫌がらせって私が旦那を好きみたいじゃん。
「バカじゃない…」
「えっ?俺のこと」
「ごめんごめん!違う!はいっ、これ連絡先」
携帯を持つ手が震えそうになるのを両手で持ち我慢する。
「また笑って…。初果さんこうなったら好きなだけ食べて下さい!」
勇仁くんは何か気付いたかも知れないけど
何も聞かず豪快に日本酒の後に注文したレモンサワーを一気に飲み干した。
「女将さーん!面倒だから焼酎ボトルで!後レモンの炭酸水ありますかー?」
「めちゃくちゃ飲むねー!とことん今日は付き合うよ。私は炭酸水で悪いけどね」
勇仁くんに今日は甘えさせて貰おう!
マンションは一駅先だし終電間に合わなくても最悪歩けば良い。
「氷もお願いしまーす」
女将さんから焼酎グラスでは無くジョッキを受け取り再度レモンサワーと炭酸水で乾杯の準備を始めた。
その声が掛け声となり二人でメニュー表とにらめっこを始めてどんどん注文する。
気付いたらテーブル一面幸せな空間に私は自然と笑顔になった。
「全部美味しい」
一口付けたビールが今日もどうも胃が受付けず勇仁くんが全部飲んでくれた。
その代わり今日の胃には食べ物がスーッと入ってく。
「もつ煮どうでした?めっちゃ美味いでしょ」
トロトロのモツは最高で2人前をペロリと平らげた。
「凄く美味しかった!お刺身を新鮮でハマチも脂がのってて最高」
「お茶漬け下さ〜い」と女将さんに追加して箸休めに山芋の短冊切りを頬張る。
「気に入って貰えて良かったです。お酒は今度飲みましょうね!」
勇仁くんは結構いける口でグイッとお猪口を傾けて日本酒一気に煽る。
「では景気付けにどうぞ」
箸を一旦置いて空いたお猪口に日本酒をそそいだ。
「どうしたの?」
お酒を注いでもジッと見つめられて免疫のない私はドキドキしてくる。
「今日予定あったんじゃないですか?」
中々鋭いけどそんな見つめられてまで言う話じゃない。
熱い視線に私も耐えきれず無駄におしぼりをクルクルと巻き直す。
「初果さんて困ってる時無理して笑いますよね」
「そ、そうなの⁈」
自分でも自覚無しだったけど思い出せばそうかも?
でもな…予定って住む場所で、あれ勇仁くんて…
「もしかして不動産会社には詳しい?て言うか知り合いいる?」
そう彼は忘れてたけど不動産部門の子!
知り合いの一人や二人…
「居ますよ?引っ越すんですか」
やっぱり‼
全く知らない不動産屋に行くくらいなら知ってる人が居た方が良い!
「一緒に暮らしてた友達が結婚するから急ぎなんだよね~」
人って切羽詰まると凄い。
嘘みたいにスラスラと言葉が出て来る。
「いつも迷惑かけてますから探しますよ!」
「内密で良い?課長がまた心配するといけないし」
「そうですよね。めちゃくちゃ初果さんを娘みたいに心配してますもん」
課長を落ち込ませたくはない。
だからこっそり引っ越しをして状況をみて話そう!
それまではバレるわけには行かない。
「任せて下さい!早めに紹介しますから。まずは俺たちが連絡先交換を」
「そっか!お互い知らなかったよね。待っ…」
携帯を取り出すと旦那からの着信と川崎さんからの写メ付きメール。
寄りかかるソファに見覚えがある。
だってそれは私のお気に入りの場所。
笑みを浮かべる彼女と男の指先。
(…指輪、そうですか)
顏は写ってないけど指にはこの間嵌めた結婚指輪。
愛は無いんだから外せば良いのに律儀に嵌めたままだから私が気付くことになる。
“彼と一緒にいるの”と言う川崎さんから嫌がら、せ…
いやいや嫌がらせって私が旦那を好きみたいじゃん。
「バカじゃない…」
「えっ?俺のこと」
「ごめんごめん!違う!はいっ、これ連絡先」
携帯を持つ手が震えそうになるのを両手で持ち我慢する。
「また笑って…。初果さんこうなったら好きなだけ食べて下さい!」
勇仁くんは何か気付いたかも知れないけど
何も聞かず豪快に日本酒の後に注文したレモンサワーを一気に飲み干した。
「女将さーん!面倒だから焼酎ボトルで!後レモンの炭酸水ありますかー?」
「めちゃくちゃ飲むねー!とことん今日は付き合うよ。私は炭酸水で悪いけどね」
勇仁くんに今日は甘えさせて貰おう!
マンションは一駅先だし終電間に合わなくても最悪歩けば良い。
「氷もお願いしまーす」
女将さんから焼酎グラスでは無くジョッキを受け取り再度レモンサワーと炭酸水で乾杯の準備を始めた。



