世界は、きっと美しい。~屋上から飛び降りた先は、太陽を紡ぐ異世界でした~

 消火活動が終わった日。

 火山の中に入ったが、キミハの死体はなかった。

 そして、投げ入れたはずのハーバリウムの瓶も跡形もなく消えていた。

 火の勢いが強かったとはいえ、消えたというのは不自然。


 でも、キミハらしいな。



「前の世界に戻れたのかな」

 気持ちのいいくらいに晴れ渡った空を見て思う。


 記憶の中では、キミハの笑顔が輝き、声も微かに耳に残っている。


 胸を締め付けて、涙となって溢れる。


 空を仰ぎながら涙を流す端夜の隣に、迅斗がしゃがみ込んだ。


「姉貴もキミハも失って、悲しいし、辛いけど、キミハは俺らを守るために飛び込んだんだろ。なら、涙流さず、一生懸命生きようぜ」

 涙が溜まった目で微笑み、肩を叩く。


「お前だって、泣いてんじゃん」


 嗚咽に途切れ途切れになりながら、笑う。