世界は、きっと美しい。~屋上から飛び降りた先は、太陽を紡ぐ異世界でした~

 どうも名残惜しい。

 まだこの時間に居続けたい。

 そう願ってしまう。

 だが、願っても確実にその時間は終わってしまう。


 服が優しく風になびき、優しい日の光が空から私を照らす。

 炎狩人が毎日、燈の玉を見つけることでこの太陽を維持してきた。

 それを反芻して、この光も炎狩人のおかげなのだなと実感する。

 この行為を続けることで、太陽は私たちに光を届けてくれている。

 この光は、炎狩人さんたち全員の努力の結晶。

 ありきたりで月並みな言い方だけど、どの通りだと感じる。

 燈の玉を見つけるために、日々一生懸命必死に努力していた姿。

 今度は、きっと私の番なんだ。

 収穫祭が行われた公園の雷火先輩。

 雨が降る農場の中から燈の玉を見つけた端夜。

 春の海から燈の玉を見つけた迅斗。

 この世界で過ごした一日一日のバトンを繋いできた人達。

 このサイクルを閉ざさないために、私も走る。


 この世界から離れなくてはならないというのは嫌だ。

 優しい言葉をかけてくれた人。

 世界の美しさに気付かせてくれた人。

 この世界から離れたくない。

 寂しい。 怖い。

 だけど、この世界のだれにも死んでほしくない。

 だから、この世界で死んだとしても前の世界で生きていける私が走る。


 絶対に、この世界を救う、滅ぼさせないと、誓う。