いや、違う。
せっかくこの世界に来たからには、そんな運命にはさせない。
絶対に、この世界を守り抜く。
再び、鋭く探査機が鳴った。
まるで、私に天命を下すかのように。
「このままでは、明日が来るまでに消火を終わらせることはできないと思われる。燈の玉を取るには死を覚悟で、あの中に飛び込むしか方法はない」
動揺、狼狽、恐怖、混乱、戸惑い。
様々な感情が、人並みに流れて、伝わっていく。
「その場合、死ぬ確率って…」
「ほぼ100パーセントだな。あの中でいられる時間すらせいぜい数十分ってところだろうな」
そんな。
「年寄りが行った方がいいんじゃないのか。嫌でも、それだと取れる可能性が。やっぱりレジェンドの人がいやでも亡くすのは惜しいし」
隣の炎狩人さんから逡巡の声が漏れる。
一呼吸、吸ってから告げた。
「私、やります」
寒さからかけ離れた場所で私の声が震える。
胸を張って、思いっきり笑顔を作る。
恐怖を隠し通すために。
「他の人がやるんだったら自分が犠牲にという気持ちはわかるが、俺はキミハを守るために連れてきたんだ。だから、キミハに死んでほしくない」
「そっか。だけど、ごめん。私は死んでもいいから守りたい」
私だって、死にたくない気持ちはある。
死にたくないけど。
何もできずに、全てを失うのなら、死んでも守りたい。
「分かった。なら、俺も行く」
今にも壊れそうなくらいに手が震えている。
私の手も同じだ。
どんなに、怖くない、大丈夫と言い聞かせても止まらない。
私だってとてつもなく心細い。
だけど、端夜が一緒に来たら意味がない。
私は、端夜や迅斗、宵華先輩やヤイル、輝羽、燦空、みんながいるこの世界を失いたくない。
「端夜に死なれたら、意味ないよ。大丈夫。私、一人で行く」
「そうか」
端夜が意を決したように、確かに頷いた。
「キミハを、桜夜を行かせてください」
大きく手を挙げて、消防隊の人にまで聞こえる声で叫んだ。
子供なのに、可愛そうなんじゃないか。
哀れな目で見る人。
指揮を執っていたレジェンドの方が声を上げた。
「いや、しかし。君は見習いなのだろう。もう帰って来れなくていいのか。それに短時間で燈の玉を取れるのか」
加えて、大人たちの厳しい視線も注がれる。
確かに、私の腕では成功するとは限らない。
だけど、失いたくない。
「桜夜ならできます。この半年、俺らと一緒に炎狩人の仕事をやってきて、学校の成績も十分です。だから、行かせてください。この世界をきっと救えます」
「私もキミハちゃんなら、取れると思うよ。もちろん、キミハちゃんにはまだ死なない欲しいって思うけど、でもキミハちゃんがそう決めたなら応援する」
宵華先輩。ありがとう。
「僕も、キミハさんに助けてもらったこと凄く感謝していて、キミハさんにならきっとできると思います」
崖のときの炎狩人さん。
「あの、私は炎狩人でも何でもないんですけど、キミハさんに気付かせてもらって、一生懸命頑張っている人にひどいこと言って、それなのに優し優しくしてもらって。だから、その思いは人一倍強い方なので、きっと取ってきてくださると思います」
収穫祭のときの女の人。
自分の今までの行動がここまで人に届いているとは思っても見なかった。
でも、恥ずかしいような嬉しいような、変な気持ち。
「分かった。桜夜。お前が燈の玉を取ることは信じよう。だが、一時間後にな。何時に行ったところで、中にいる時間は変わらない。それなら、少しでも火の勢いを弱かった方がいいだろうからな」
厳しい視線が温かい視線に変わった。
「ありがとうございます」
頭を大きく下げて、礼をした。
「よし、これから1時間、気合入れて消火するぞ」
続けて、野太い声が上がった。
せっかくこの世界に来たからには、そんな運命にはさせない。
絶対に、この世界を守り抜く。
再び、鋭く探査機が鳴った。
まるで、私に天命を下すかのように。
「このままでは、明日が来るまでに消火を終わらせることはできないと思われる。燈の玉を取るには死を覚悟で、あの中に飛び込むしか方法はない」
動揺、狼狽、恐怖、混乱、戸惑い。
様々な感情が、人並みに流れて、伝わっていく。
「その場合、死ぬ確率って…」
「ほぼ100パーセントだな。あの中でいられる時間すらせいぜい数十分ってところだろうな」
そんな。
「年寄りが行った方がいいんじゃないのか。嫌でも、それだと取れる可能性が。やっぱりレジェンドの人がいやでも亡くすのは惜しいし」
隣の炎狩人さんから逡巡の声が漏れる。
一呼吸、吸ってから告げた。
「私、やります」
寒さからかけ離れた場所で私の声が震える。
胸を張って、思いっきり笑顔を作る。
恐怖を隠し通すために。
「他の人がやるんだったら自分が犠牲にという気持ちはわかるが、俺はキミハを守るために連れてきたんだ。だから、キミハに死んでほしくない」
「そっか。だけど、ごめん。私は死んでもいいから守りたい」
私だって、死にたくない気持ちはある。
死にたくないけど。
何もできずに、全てを失うのなら、死んでも守りたい。
「分かった。なら、俺も行く」
今にも壊れそうなくらいに手が震えている。
私の手も同じだ。
どんなに、怖くない、大丈夫と言い聞かせても止まらない。
私だってとてつもなく心細い。
だけど、端夜が一緒に来たら意味がない。
私は、端夜や迅斗、宵華先輩やヤイル、輝羽、燦空、みんながいるこの世界を失いたくない。
「端夜に死なれたら、意味ないよ。大丈夫。私、一人で行く」
「そうか」
端夜が意を決したように、確かに頷いた。
「キミハを、桜夜を行かせてください」
大きく手を挙げて、消防隊の人にまで聞こえる声で叫んだ。
子供なのに、可愛そうなんじゃないか。
哀れな目で見る人。
指揮を執っていたレジェンドの方が声を上げた。
「いや、しかし。君は見習いなのだろう。もう帰って来れなくていいのか。それに短時間で燈の玉を取れるのか」
加えて、大人たちの厳しい視線も注がれる。
確かに、私の腕では成功するとは限らない。
だけど、失いたくない。
「桜夜ならできます。この半年、俺らと一緒に炎狩人の仕事をやってきて、学校の成績も十分です。だから、行かせてください。この世界をきっと救えます」
「私もキミハちゃんなら、取れると思うよ。もちろん、キミハちゃんにはまだ死なない欲しいって思うけど、でもキミハちゃんがそう決めたなら応援する」
宵華先輩。ありがとう。
「僕も、キミハさんに助けてもらったこと凄く感謝していて、キミハさんにならきっとできると思います」
崖のときの炎狩人さん。
「あの、私は炎狩人でも何でもないんですけど、キミハさんに気付かせてもらって、一生懸命頑張っている人にひどいこと言って、それなのに優し優しくしてもらって。だから、その思いは人一倍強い方なので、きっと取ってきてくださると思います」
収穫祭のときの女の人。
自分の今までの行動がここまで人に届いているとは思っても見なかった。
でも、恥ずかしいような嬉しいような、変な気持ち。
「分かった。桜夜。お前が燈の玉を取ることは信じよう。だが、一時間後にな。何時に行ったところで、中にいる時間は変わらない。それなら、少しでも火の勢いを弱かった方がいいだろうからな」
厳しい視線が温かい視線に変わった。
「ありがとうございます」
頭を大きく下げて、礼をした。
「よし、これから1時間、気合入れて消火するぞ」
続けて、野太い声が上がった。



