世界は、きっと美しい。~屋上から飛び降りた先は、太陽を紡ぐ異世界でした~

 私は屋上にいた。

 教室に入るのが、怖かった。


 屋上から見える景色は、青一色染まった空で、恨みたくなるほど、美しい。


 自分が壊れていく。


 どうせ、人間なんて、長いものに巻かれていくだけ。

 正義やら善悪は綺麗事。

 現に、私もいじめられている子を守ろうなんて、思いもしなかったし、静海だって、最終的にはあっち側に回っていった。

 そんな、この世界を恨みたくなる。


 悔しいなって、涙が込み上げてきてしまう。


「ねえ、青空。助けろよ」

 フェンスの上に乗って、青空に手を伸ばした。

 こんな世界なら、死んでもいいか。


 生きてたって、どうせ苦しいだけ。

 それに、がむしゃらに生きるなんて、無理だ。


 バタ。

 視界が公転し、私は屋上から落下した。