世界は、きっと美しい。~屋上から飛び降りた先は、太陽を紡ぐ異世界でした~

 バーンと、夜明けと同時に花火が空高く上がった。

 収穫祭の始まりを告げる恒例の音で、私は目が覚めた。


「残念だが、今日の落下地点はここだな」

「マジかよ」

 二人が話している先は、収穫祭の開催地である、雷火(らいび)公園。


「ふーっ。早速行くか」

 小さくため息をつきながら、雷火公園に歩き出す。

「収穫祭が本格的に始まる時間が午後の六時だから、まだ十時間はあるし余裕だろ」

 だが、午後四時現在、未だに燈の玉は見つかっていなかった。

 収穫祭は開催できるんだよな、怒りと戸惑いが混ざったざわめきが流れてくる。

「見つけられるよう、炎狩人一同、動いておりますので、もうしばらくお待ちください」

 マイクから、流れるアナウンスに罵倒の声が重なる。

「こっちだって、早く見つけられるなら、見つけてえよ」

 始まりの六時が刻一刻と迫ってくる。

「その場しのぎだが、キミハは案内役をしてくれ」

「はい」

 踵を返すと、目の前に小さな赤ん坊を抱えたお母さんがいた。

「燈の玉見つけたら、俺たちも収穫祭、楽しむぞ」

 端夜が薄く笑って、私を見送った。

 子どもは苦手だけど、頑張ってみるかという気が湧いてしまう。

 我ながら、単純だななんて思う。


「これって、どのくらいかかりますか」

「六時までには、きっと」

「きっと、ですか?まあ、確定じゃないんでそうなりますよね」

「確かに、確定ではないですけど、必ず見つけてくれますよ」

 なんとなく、ムキになって言ってしまった。


「そうですね。今まで散々、助けてもらったんだから、信じないとですね」と笑った。