「そうですね。綿矢りささんの本を」
「ミステリーですか?」
「いいえ」
彼は新しい本のことを聞くと必ず「ミステリーですか?」と聞いてくる。作家の名前とタイトルをひかえ読み方を覚える。タブレット持参なのはそのためだ。表を作ってまとめているらしい。
(イギリス人は幽霊が好きだと聞くが、それは関係あるのだろうか。たぶん、ない)
「どんな本ですか?」
「恋愛、と言うより、女性の欲、かな」
「欲」
彼は不思議そうな顔をしている。えーと、えーと、どうやって説明しようかな。
「女性って、恋愛をすると性格が変わったりするじゃないですか」
「それは女性に限らないのでは?」
(論破)
私は冷や汗をかく。それは正論。正論なんだけど。彼はまだ不思議そうな顔をしている。
「恋愛をするとモンスターになるひとっていますよね」
「そうですね。あ、そう言う話なんですか」
「そうです」
(理解力あって助かった!!)
私はタオルハンカチでひたいの汗をぬぐう。もともとしゃべるのは得意じゃない。好きな場所は本屋と図書館。静かな場所が好きなのだ。
「最近、どこかへ行きましたか?」
今度は彼が質問してくる。彼はこの質問が大好きだ。なぜなら -
「どこへも行ってませんね。どこか行きたいですね。海のほうとか」
「魚食べるんですか?」
「え、いや、水族館とか」
「タコとかイカ食べます?」
「え、えーと、見に行きたいです」
「貝類は食べませんか?」
「……」
日本ではタコやイカ、ナマコ、ホヤなどの水棲動物も食べるし、地方によっては馬やウサギも食べる。シカやクマだって食べる。
日本の食文化に興味津々の彼は、私が動物や植物の名前を口にすると必ず「食べますか?」「食べれますか?」と聞いてくる。だが、
自分で試す勇気はまだ出ないらしい。最近、やっと海苔を口にするようになったが、ちょっとでも湿ると苦手らしい。パリパリ好き。
「先輩。
あなたは盆栽のように美しいです」
「ミステリーですか?」
「いいえ」
彼は新しい本のことを聞くと必ず「ミステリーですか?」と聞いてくる。作家の名前とタイトルをひかえ読み方を覚える。タブレット持参なのはそのためだ。表を作ってまとめているらしい。
(イギリス人は幽霊が好きだと聞くが、それは関係あるのだろうか。たぶん、ない)
「どんな本ですか?」
「恋愛、と言うより、女性の欲、かな」
「欲」
彼は不思議そうな顔をしている。えーと、えーと、どうやって説明しようかな。
「女性って、恋愛をすると性格が変わったりするじゃないですか」
「それは女性に限らないのでは?」
(論破)
私は冷や汗をかく。それは正論。正論なんだけど。彼はまだ不思議そうな顔をしている。
「恋愛をするとモンスターになるひとっていますよね」
「そうですね。あ、そう言う話なんですか」
「そうです」
(理解力あって助かった!!)
私はタオルハンカチでひたいの汗をぬぐう。もともとしゃべるのは得意じゃない。好きな場所は本屋と図書館。静かな場所が好きなのだ。
「最近、どこかへ行きましたか?」
今度は彼が質問してくる。彼はこの質問が大好きだ。なぜなら -
「どこへも行ってませんね。どこか行きたいですね。海のほうとか」
「魚食べるんですか?」
「え、いや、水族館とか」
「タコとかイカ食べます?」
「え、えーと、見に行きたいです」
「貝類は食べませんか?」
「……」
日本ではタコやイカ、ナマコ、ホヤなどの水棲動物も食べるし、地方によっては馬やウサギも食べる。シカやクマだって食べる。
日本の食文化に興味津々の彼は、私が動物や植物の名前を口にすると必ず「食べますか?」「食べれますか?」と聞いてくる。だが、
自分で試す勇気はまだ出ないらしい。最近、やっと海苔を口にするようになったが、ちょっとでも湿ると苦手らしい。パリパリ好き。
「先輩。
あなたは盆栽のように美しいです」



