ユキが声も出せないままでいると、ティナは困ったように笑いました。
「彼女はアリシア。わたしと同じ十歳なのに、もういろんなまほうを使えるの。すっごく優秀なんだ」
「そうなんだ」
それにしても『時間のムダ』だなんて、ちょっとイジワルな言い方です。
「でも、わたしは負けないんだ! お母さまみたいな、立派なクイーンになりたいんだもん」
イジワルを言われても、ティナは落ち込むことなく前向きです。
ユキは、そんなティナのことがもっと好きになりました。だからこそ、ユキはある〝願い〟を打ち明けようと決心します。
「ねぇ、ティナ」
「なぁに?」
「わたし、ティナと、お友だちになりたいっ!」
(い、言っちゃった……!)



