まほう学園は、広場からお城と反対の方向にありました。

お城ほどの高さはないけれど、横に大きく、レンガ造りの立派な建物です。

ユキはドキドキしながら、ティナに続いて学園の門をくぐりました。

いちばん上の階の教室につくと、すでにたくさんの生徒が席についています。

「あら? ティナったら、今日も来たのね」

とつぜん声をかけてきたのは、炎のような赤いドレスを着ている女の子。ツンとすました立ち姿は、ティナとは違ったお姫さまっぽさがあります。

「もちろんだよ。クイーンになるために、がんばって勉強するんだもん」
「勉強したって時間のムダよ。クイーンになるのはわたくしなんだから」

びしっと宣言すると、女の子はティナたちの少しうしろの席にすわりました。