「付き合えば?」






静かな部屋の中、私に返ってきた言葉はそれだった。


『……本気で……そう思う……?』



「うん。あいつ良い奴だし。」






孝之は寂しいとか何も感じないの?


私に対して、

そんなことなーんにも思ってくれないんだね。






『……バカ………』







付き合うわけないじゃん。

透くんのこと好きになれたならどんなにいいか。

孝之のせいだよ。

孝之のことが好きだから、透くんのこと好きになれないじゃん。






バカ






バカ

バカ






私は涙をこらえながら孝之を見つめた。





『孝之のバカ!』




こらえきれずに、いきなり泣き出した私に孝之は驚いている。



「は…?な…なんだよ!?」





『付き合うわけないじゃん!…私は………孝之にちょっとでも…寂しいとか思ってほしいのに……孝之のバカ!』





私は孝之にクッションを投げつけた。